間違いやすい妊娠週数と出産予定日を正しく理解し、安全で不安のない妊娠・出産を行うためのサポート情報(出産予定日が一目で分かるカレンダー付) Show
間違いやすい妊娠週数と出産日はどうやって把握する?妊娠が発覚したらまず気になるのが、今何ヶ月、何週目かということはではないでしょうか? 同時に出産予定日がいつなのかもはっきり知りたいところですよね。 日本では、昔から妊娠週数を十月十日(とつきとおか)と計算する慣わしがあるのをご存じの方も多いと思います。 しかし、例えば出産予定日が10月10日の場合、妊娠が1月1日かというとそうではありません。 実際の妊娠から出産予定日までの期間は10ヶ月と10日日ではなく、280日(40週0日)が標準的な日数と考えられています。 今回は『なぜ出産予定日の計算に誤りが生じやすいのか』『間違えにくい妊娠週数と出産日の計算方法』をお伝えしていきます。 妊娠週数を計算する上で重要な『月経後胎齢』と『月経周期』受精後胎齢と月経後胎齢妊娠週数を計算する考え方には『受精後胎齢』と『月経後胎齢』という2つがあります。 受精後胎齢とは、受精した日を妊娠期間1日目として計算、満日数・満週数で表す方法です。 これに対し月経後胎齢は、妊娠期間をいつからカウントするかと言うと、最終月経の開始日です。 最後の生理が始まった日を0日と数え、満日数・満週数で表します。 また『受精後胎齢』は『月経後胎齢』から2週引くことで表せます。 受精日や、受精卵が着床した日にちを正確に特定することが難しいため、現在の日本ではアメリカなどと同様、一般的に『月経後胎齢』の計算方法が採用されています。 月経周期今妊娠何ヶ月、何週目かを数える上で重要なのが『月経周期』です。 月経周期には個人差があるのですが、一般的に28日と言われ、さらに25日以上38日以内であれば正常の範囲内とされています。 『月経後胎齢』の数え方による妊娠期間は、最終の生理開始日から28日を1ヶ月と数え、280日(10ヶ月)と考えます。 例えば妊娠前の最後の月経が4月1日に始まった場合、出産予定日は280日後の翌年1月6日ということになります。 しかしながら、先ほどもお伝えした通り、月経周期には個人差があるため、ここにずれが生じてきます。 最終月経が4月1日の場合で言えば、25日周期の方は出産予定日が1月3日、32日周期では1月10日です。 また、普段月経周期が28日の方でも、体調やストレスなどで仮に排卵日が1週間ずれれば、ずれた日にちに伴い出産日は280日後ではなく早まったり遅れたりします。 280日(40週0日)=月経周期28日の方の妊娠期間上記のことから、日本で現在標準的な妊娠期間である280日(40週0日)とは、月経周期28日の人の妊娠期間である事が分かります。 人工授精・体外受精の場合の出産予定日は?人工授精や体外受精では、母体からの採卵日や胚移植日を2週目0日と考え、266日後を出産日として計算します。 その場合においても、発育状況、状態により当初の出産予定日が変わることも考えられます。 ネーゲレ概算法月経周期が28日の方が、最終月経開始日から赤ちゃんが生まれる予定日を簡単に予測できる計算法が『ネーゲレ概算法』です。 ネーゲレの概算法は最終生理が始まった月日を下記の式に当てはめる事で、出産予定日を計算する方法です。
最終生理が始まった日が1月5日の場合、出産予定日は10月(1+9)12日(5+7) 最終生理が始まった日が11月10日の場合、出産予定日は8月(11-3)17日(10+7)になり、妊娠期間は11月10日を0週0日として40週(280日)後の8月17日までということになります。 覚えておきたい出産までの流れとは?【医師監修】 初めての妊娠・出産に不安を抱えていませんか?出産ま... 分娩週数の実際37~39週で出産する人が全体の約61%最終月経開始日から出産日までの標準を40週とする妊娠期間ですが、実際は40週で出産される方は全体の20%にも満たないようです。 下記は2021年6月に発表された公益社団法人 日本産科婦人科学会 周産期委員会「報告 分娩週数の分布」に基づき作成した分娩週数の一覧表です。
御覧頂くと分かる通り、実際は38週で出産される方の割合が23.3%と最も多く、37週~39週と40週より前に出産される方が全体の約61%となっています。 また、40週を過ぎて出産される方も7%近くおり、40週はあくまで目安であり、ご自身の排卵日、月経周期を把握しておく事がより正確な出産予定日・妊娠期間の計算の基本となると言えます。 正期産・早産・過期産出産は、妊娠期間のどの段階で分娩に至ったかにより正期産、早産、過期産に分けられます。
出産予定日は【妊娠12週までに】確定する妊娠発覚時の出産予定日は、月経周期の把握が曖昧であったり、周期自体が不順であるなど、妊娠週数が進むに従って変わることも少なくありません。 多くの場合、妊娠8~11週に超音波検査で胎児頭殿長(胎児の頭の先からお尻までの長さ)を測り、出産予定日を予測していきます。 妊娠12週までには出産予定日が確定します。 妊娠期間と妊娠検査薬・NIPT(新型出生前診断)について妊娠は精子と排卵された卵子が出会い、受精卵となり、着床するという3つの段階を経て起こります。 この3つの流れは総じて「受胎」と呼ばれています。 10ヶ月の妊娠期間は経過月数3ヶ月ごとに下記区分で分けられます。
この時期には「妊娠糖尿病」の症状が起こるリスクが上がるため、食事の管理など注意が必要です。 また、胎盤が正常よりも低い位置にあり、子宮の出口を覆っていたりする「前置胎盤」の確定診断も後期31週頃までに行われます。 前置胎盤の場合、帝王切開となることがほとんどです。 妊娠検査薬はいつから使える?月経開始予定日の1週間後から使用が可能です。 それ以前の検査薬の使用で陽性が出ることもありますが、妊娠以外の原因によってもまれに陽性反応が出ることがある(フライング検査)ため、使用時期を守り利用しましょう。 陽性反応が出た場合、できるだけ早く婦人科を受診するようにしましょう。 NIPT(新型出生前診断)出生前診断は、妊婦の血液を検査し、赤ちゃんのDNAに異常がないかを確認するものです。 出生前の赤ちゃんの健康状態を検査・把握することで、出生前の段階で治療(薬の投与)を行ったり、出産後すぐに治療を開始する準備を行うことができます。 昔は「高齢出産」と言われた年齢での初産も現代では普通になり、十分な準備を整え出産を迎えるために、出生前診断を希望される方が増えています。 NIPT(新型出生前診断)は妊娠10週より可能です。 この検査は非常に精度の高いものではありますが、確定診断するには、その後羊水検査が必要となります。羊水検査は妊娠15週以降から可能です。 NIPT(新型出生前診断)とはどういう検査? 新型出生前診断(NIPT)とは、「お母さんから採血... 出産予定日を誤って計算しやすい例性交した日または受精した日を0週0日と数えてしまう出産予定日を誤って計算するケースとしてたびたび見られるのが、妊娠0週0日=性交した日や受精した日と認識しているものです。 受精した日がいつであるかを把握することは難しいため、普段から基礎体温や体調、月経周期を記録しておくことで管理しやすい最終月経開始日を妊娠0週0日ととらえるのです。 月経不順や基礎体温の管理不足により月経周期の認識が曖昧最終月経開始日を妊娠0週0日とする事は知っていても、月経不順や体調・基礎体温の管理が不足しているなどして、月経周期の把握が曖昧な場合、出産予定日に誤差が生じる事が多くあります。 より正確な出産予定日を知ること、出生前診断を希望する場合は、母子ともに負担のない時期を選ぶためにも、妊娠時期以前からの健康管理は非常に重要です。 出産予定日をカレンダーで確認ここまで、間違いやすい出産予定日、妊娠期間を正しく計算するための情報をお伝えしてきました。 では、最後に出産予定日を一覧にした分かりやすいカレンダーを掲載します。 最終月経開始日をベースにしております。出産予定日から最終月経日を逆算し、おおよその排卵日を計算することも可能です。 各最終月経開始日の下に、対応する出産予定日を掲載しております。 ※月経周期28日バージョンですので、あなたの月経周期に合わせ、日にちをプラス・マイナスしてみて下さいね。 最終月経開始日が1月の場合
最終月経開始日が2月の場合
最終月経開始日が3月の場合
最終月経開始日が4月の場合
最終月経開始日が5月の場合
最終月経開始日が6月の場合
最終月経開始日が7月の場合
最終月経開始日が8月の場合
最終月経開始日が9月の場合
最終月経開始日が10月の場合
最終月経開始日が11月の場合
最終月経開始日が12月の場合
【参考文献】
間違いやすい妊娠週数と出産予定日を正しく理解し、安全で不安のない妊娠・出産を行うためのサポート情報(出産予定日が一目で分かるカレンダー付) 記事の監修者 白男川 邦彦先生 ヒロクリニック名古屋駅前院 院長 産婦人科専門医として40年近くにわたる豊富な経験を持ち、多くの妊婦さんとかかわる。 経歴1982年 愛知医科大学付属病院 プロフィールページはこちら |